検査値はこう見る!
2025.5.7
クレアチニン(Cr)が高い!腎臓が悪い?
腎臓を「おしっこを作る臓器」と思っている方も実は多いようです。しかし、腎臓の本当の働きは、「血液をきれいにする」ことです。血液中の水に溶けているゴミを腎臓の糸球体という部分でろ過し、血液をきれいにしているのです。そのため、人工腎臓である「透析」は腎臓が悪くなり血液をきれいにできなくなった場合に、人工的に腎臓の代わりに血液をきれいにしてくれるのです。
【クレアチニンは筋肉のゴミ】
クレアチニン基準値:男性:0.7~1.2 mg/dL、女性:0.5~1.0 mg/dL
腎臓の検査値に「クレアチニン」という検査項目があります。実はコレ、筋肉のゴミなのです。このゴミがちゃんと腎臓でろ過されているうちは血液中のクレアチニン値は基準値内ですが、腎臓が悪くなりゴミが処理されなくなると血中にクレアチニンが溜まってしまい、血中クレアチニン値が増加します。そのため、クレアチニン値の上昇は、腎臓(糸球体)の機能低下を示します。
しかし、このクレアチニン値は筋肉量に比例します。マッチョな筋肉隆々な方であれば、腎臓が悪くなくとも、当然クレアチニン値は基準値より高くなります。逆に、筋肉がないご年配の方が、基準値内でも上限に近い値であれば、筋肉がないのに筋肉のゴミが多めなのはおかしいため、腎機能を疑う場合もあります。

【その他の腎臓関連検査値】
その他の腎臓関連検査値も実は体内のゴミを測定しています。ゴミが腎臓で処理できているかどうかで腎臓の機能を確かめています。
尿素窒素(BUNまたはUN)(基準値 8~20 mg/dl)
⇒タンパク質のゴミ

尿酸(UA)(基準値 男性…3.8~7.0mg/dl、女性…2.3~6.5mg/dl)
⇒DNAやRNAのゴミの一部

※基準値は病院によって異なります。