検査値はこう見る!                             
                            
                                2025.6.8
                            
                            CRPが高いと炎症と思っていませんか?
CRPは、C反応性蛋白の略ですが、世間一般的には「炎症」の血液検査値と言われています。
もちろん、CRPは炎症が原因で高値を示すようになるのですが、他にも尿路感染症などの「細菌」感染症が原因でも高値になります。がんで高値になるのは炎症を伴う場合です。また、逆に高齢者などで肝臓の機能が低下していると、炎症や細菌感染症が起こっていても高値になりにくいという特徴を持っています。
【実は白血球が反応すると高くなるCRP】
CRP基準値(正常値):0.0-0.3mg/dl
(高感度CRP基準値(正常値):0.03mg/dl未満)
※上記は、医療機関や検査機関により定量値に若干の差異があります。
実は、CRPは白血球の一種である「好中球」が働くと高くなります。
好中球の働きは、炎症などで壊れた細胞を処理したり、細菌をやっつける働きがあります。残念ながら好中球はウイルスに対しては反応できません。好中球は働きだすと、インターロイキンという免疫活性物質を出します。するとこれを受けた肝臓がCRPを作りだします。そのため、血液中のCRPの濃度が上がるわけです。
【肝臓が悪い人はCRPの値に注意しましょう】
CRPが基準値よりも高いと、細菌感染症や炎症疾患が予測されますが、逆に細菌感染症や炎症が起こっていても高くならない場合があります。
先ほども前述したようにCRPは肝臓で作られます。そのため、肝臓の機能が低下しているような状態では、細菌感染症や炎症が体に起きていてもCRPが上昇しにくくなっています。肝臓機能の検査値「アルブミン」などの値が低い人はCRPの見方に注意が必要です。
