検査値はこう見る!
2025.8.16

血小板が異常値の時って?

血小板は、「止血」を行う血球成分の一つです。傷をしたときに、まず血管の傷に対して血小板が集まり傷口をふさいでくれるのが血小板です。ただ、血液検査で血小板が異常値の時には様々な原因が考えられるのです。

【血小板数が高い場合】

基準値:15~35万/μL

血小板が基準値よりも高いときには、まず「炎症」を疑います。炎症が起きるとその炎症部位を修復するために血小板が集まってきます。そのとき、血小板は傷口からばい菌などが入らないように白血球を呼ぶための物質(サイトカイン)を分泌します。そのため、炎症部位が大きければ大きいほどたくさんの血小板が動員されるため、血小板数が増加するのです。
また、赤血球も同時に多い場合には、「脱水」も考えます。夏など汗をたくさんかいた後や普段から水分が不足しているような方は、血中に水分が少なく血液が濃くなっている状況です。そのため、血小板も濃くなっているような状況です。血小板は濃くなってくると血小板同士がくっつき「血栓」ができやすく、静脈血栓症、梗塞性疾患の原因となるので注意が必要です。
さらに、最近ではがん細胞が転移する時に血小板が増加するという研究結果も出てきており注目されております。
そのほか、薬剤性の血小板増加も知られています。

【血小板数が低い場合】

まず注意しないといけないのは、「血栓症」です。今まで血小板数が高めだった方が急に10万/μLを下回るくらいまで低下したときには血栓が疑われるため、精密検査が必要です。
また、赤血球も同時に少ない場合には、骨髄での血球成分の合成が弱くなったりしている可能性や、出血過多による影響が考えられます。
さらに肝臓機能が低下していると血小板を作るホルモンが肝臓で作られなくなるため、血小板が減少することが知られております。
そのほか、薬剤性の血小板減少も知られています。