検査値はこう見る!
2025.9.6
中性脂肪とコレステロールの違いって何?
血液検査でよく見る中性脂肪とコレステロール。どちらが高くても「脂質異常症」となってしまいますが、中性脂肪とコレステロールはどう違うのでしょうか?
【中性脂肪とコレステロールの違い】
中性脂肪もコレステロールも同じ「脂質」ですが、全く性質は異なっています。
中性脂肪がエネルギー源に対して、コレステロールは体の材料です。
中性脂肪は主に脂肪細胞の中に存在し、脂肪細胞は皮下脂肪や内臓脂肪のもととなっています。中性脂肪の働きは体内のエネルギー源が主な働きで、その他にも体温を保ったり、内臓を守るクッションとしての働きがあります。
しかし、中性脂肪が過剰になると脂肪細胞がどんどん分泌し、血糖や血圧を上昇させたり、血栓をつくる生理活性物質を作ってしまいます。
ただ、中性脂肪はほとんどが食事由来であるため、食事の摂生により容易に低下させることができる成分です。
一方、コレステロールは、体の材料で7割~8割は肝臓で作られる物質です。あまり食事によって影響を受けないということがわかってきました。
コレステロールは体の材料として、細胞を守る細胞膜、性ホルモン、ビタミンD、胆汁の原料として使われます。
しかし、コレステロールが過剰になると動脈硬化の原因になり、主に虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)のリスク因子となります。ただし、逆にコレステロールが低いと脳血管疾患、呼吸器疾患、がんなどになりやすいこともわかってきました。以前は卵を食べるとコレステロールが増加するといわれていましたが、現在は否定されてきております。バランスの良い食事を心がけることが大切です。
