検査値はこう見る!
2025.9.20

中性脂肪が高いのは何が原因?

人類の歴史は500万年といわれておりますが、人類の歴史を1年に例えてみましょう。人類の誕生が1月1日とすると、今のような飽食時代は12月31日23時56分から始まっています。つまり飽食時代は人類の歴史から見ればつい最近なのです。

人類の歴史から見ると飢餓の期間に方がずっと長かったのです。そのため、私たちの体の遺伝子には、「必要以上の栄養が摂れたらため込む」という情報が書き込まれているのです。糖や中性脂肪はエネルギー源となる大切な栄養素であるため、体にため込もうとするのはこのためなのです。

【中性脂肪は食事由来で増加】

血中の中性脂肪は、食事の中のアブラ(油、脂)によって簡単に増加し、逆にアブラを摂らないと簡単に減少します。また、過剰な糖はより多くのエネルギーを生み出す中性脂肪に体内で変化をします。そのために血中中性脂肪は、脂っこいものだけでなく、甘いものを食べても上昇してしまいます。

【おへそ周りの腹囲との関係】

太るとベルトの位置がずれたり、ズボンがはけなくなりますよね。中性脂肪は主に皮下脂肪や内臓脂肪にたまりやすくなるため、腹囲に影響がしやすいのです。なんと、おへそ周りの腹囲が1㎝増えると、内臓脂肪や皮下脂肪が1Kg増えているといわれているのです。逆を言えば、おへそ周りの腹囲を1cm縮めるためには中性脂肪1Kg分減らさないといけないということです。
また、女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が低下しますが、女性ホルモンは中性脂肪を増やさないように働いてくれてします。そのため閉経後は女性ホルモンの中性脂肪増加のブレーキが利かなくなり、おなかに脂肪がたまりやすくなり腹囲が増えてしまう場合があるのです。

【中性脂肪は魚で下がる】

中性脂肪が高い場合には、脂っこいものを避けるのが一番ですが、魚を週3回以上食べることで中性脂肪対策ができます。魚のアブラはEPAやDHAなどが含まれており中性脂肪を低下させる働きがあります。このEPAエパデールという名前で医療用医薬品になっています。食事で魚を摂るときには、おさしみ、焼き魚、煮魚がおすすめ。フライやムニエルなど植物油を使用してしまうと中性脂肪も一緒に摂ってしまうため、週3回のお魚の摂取には含んではいけません。
また、運動によっても下がりやすいのが中性脂肪です。毎日少しの運動でもよいので意識して行うことが大切です。