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甲状腺関連検査TSH・FT4・FT3とは?
健康診断や病院の血液検査で、「TSH」や「FT4」「FT3」といった項目を見たことはありませんか?
結論から言うと、これらは「甲状腺(こうじょうせん)」に関する検査値です 。甲状腺は体の「代謝」に関わるホルモンを分泌する部位で、のどぼとけのすぐ下に位置しています 。そのため、甲状腺が異常となると「最近すごく疲れやすい」「食べていないのに体重が増える」「動悸がする」といった症状が現れることがあり、そんな日常の不調の陰には、実は甲状腺のトラブルが隠れていることがあります 。
TSH・FT4・FT3 ってどんな検査値?
- FT4(遊離チロキシン) 甲状腺から分泌されるホルモンです 。作り立てのホルモンで、甲状腺からきちんと分泌されているか(分泌能)を見ます 。
- FT3(遊離トリヨードサイロニン) FT4(遊離チロキシン)は、肝臓や腎臓などで実際に体の代謝を活発にするためのホルモンに姿を変えます 。それがFT3(遊離トリヨードサイロニン)です 。実際にメインで働く甲状腺ホルモンがどれくらい存在しているかを見ます 。
- TSH(甲状腺刺激ホルモン) 脳から甲状腺に出される「調整役」です 。血液中の甲状腺ホルモンが足りないと「もっと作れ!(TSH高)」と指示を出し、多すぎると「作るのを休め!(TSH低)」と指示を出します 。
検査機関によって基準値は多少異なりますが、一般的な目安は以下の通りです
• TSH: 0.50 ~ 5.00 μIU/mL
• FT4: 0.90 ~ 1.70 ng/dL
• FT3: 2.30 ~ 4.00 pg/mL
甲状腺の検査値は、これら「調整役(TSH)」と「実際のホルモン(FT4・FT3)」の組み合わせで、以下のパターンに分かれます 。
① ホルモンが多すぎる状態(甲状腺機能亢進症・バセドウ病など)
- 数値: FT4・FT3が「高い」、TSHが「低い」
- 状態: 甲状腺がホルモンを作りすぎている状態です 。脳は「もう作らなくていい!」と慌てて調整役(TSH)を減らしています 。
- よくある症状: 動悸がする、汗をかきやすい、しっかり食べているのに痩せる、手が震える、イライラするなど 。
② ホルモンが少なすぎる状態(甲状腺機能低下症・橋本病など)
- 数値: FT4・FT3が「低い」、TSHが「高い」
- 状態: 甲状腺が疲れてしまって、ホルモンが作れない状態です 。脳は「もっと作って!」と焦って強い調整役(TSH)をたくさん出しています 。
- よくある症状: 疲れやすい、ひどく寒がりになる、顔や体がむくむ、体重が増える、気分が落ち込むなど 。
③ 隠れ低下症(潜在性甲状腺機能低下症)
- 数値: FT4・FT3は「正常」、TSHが「高い」
- 状態: 甲状腺はなんとか正常な量のホルモンを作っていますが、脳が「もっと頑張れ!」と強くムチを打っている(TSHが高い)状態です 。将来的に②の状態に移行する可能性があります 。
数値が気になったときのポイント:自己判断はNG!
甲状腺の病気による症状は、更年期障害やうつ病、あるいは「ただの疲れやストレス」と勘違いされやすいのが特徴です 。そのため、血液検査で初めて気づく方も少なくありません 。
もし甲状腺の病気と診断された場合、最も気をつけていただきたいのが「お薬の飲み忘れ・自己中断」です 。
甲状腺の治療は、ホルモンを抑えるお薬、または不足分を補充するお薬を飲むことが基本になります 。「数値が良くなったから」「症状が落ち着いて元気になったから」といって勝手に薬をやめてしまうと、再び数値が悪化し、体に大きな負担がかかってしまいます 。医師の指示通りに、毎日決まった時間にお薬を飲み続けることが治療の最大のコツです 。
また、昆布などの「ヨード(ヨウ素)」を多く含む海藻類の摂りすぎには注意が必要な場合がありますので、お食事については主治医の指示に従ってください 。