検査値はこう見る!
2026.6.15

「うつ」や「怠け」のせいじゃない?甲状腺機能低下症が気づきにくい理由

前回のブログでは、甲状腺の働きを知るための検査値(TSH・FT4・FT3)について解説しました。甲状腺は「元気ホルモン」を作る大切な臓器です。
しかし、このホルモンが少なくなってしまう「甲状腺機能低下症(橋本病など)」は、実は非常に発見が遅れやすい病気として知られています。
「最近ずっと気分が落ち込む」「体が鉛のように重くて動けない」……その症状、もしかすると心の問題や疲れではなく、甲状腺のサインかもしれません。今回は、甲状腺機能低下症がなぜ気づきにくいのか、その理由と早期発見のポイントをお伝えします。

気づきにくい理由①:症状が「うつ病」や「更年期障害」にそっくりだから

甲状腺ホルモンが不足すると、心身のエンジンがかからなくなり、以下のような症状が現れます。

無気力になる、気分がひどく落ち込む
1日中ずっと眠い、頭がボーッとする
疲れが全く取れず、家事や仕事が手につかない

実はこれらの症状は、「うつ病」などの精神疾患の症状と極めてよく似ています。
そのため、患者様ご自身も「ストレスのせいだ」「自分が怠けているだけだ」と自分を責めてしまったり、最初に心療内科や精神科を受診されるケースが非常に多く見られます。

気づきにくい理由②:問診だけでは医師も鑑別が難しい

精神的な不調で受診された場合、まずはその「気分の落ち込み」や「無気力」といったつらい症状を改善するための治療(うつ病の治療など)が先行してスタートすることがあります。
これは決して珍しいことではありません。なぜなら、甲状腺機能低下症による精神症状と、うつ病による精神症状は、問診でお話を伺うだけでは専門医であっても見分けることが非常に困難だからです。
甲状腺の問題が隠れているかどうかを確実に見つけるには、一般的な健康診断の項目には含まれていない「甲状腺ホルモンの血液検査(TSH・FT4・FT3)」を行う必要があります。

「もしかして…」と医師に気づいてもらうためのポイント

「お薬を飲んでしっかり休んでいるのに、なかなか気分の落ち込みやだるさが回復しない…」という場合、どのように医師に相談すればよいのでしょうか。

ポイントは、精神的な症状だけでなく、「体に出ている小さな変化」も一緒に医師へ伝えることです。甲状腺機能低下症の場合、以下のような身体的なサインが隠れていることがよくあります。

異常なほどの寒がりになった(夏でも厚着をするなど)
食べる量は変わらない、または減っているのに体重が増える
顔や手足がひどくむくむ
便秘がちになった
声がかすれる、髪の毛が抜けやすい

こうした「体質が変わったような症状」を一緒に伝えることで、主治医の先生も「一度、甲状腺の血液検査もしてみましょうか」と判断しやすくなります。

悩んだら、まずは薬剤師にもご相談を

「自分はうつ病だと思っていたけれど、血液検査をしたら甲状腺機能低下症だった。甲状腺のお薬(ホルモンを補充するお薬)を飲み始めたら、嘘のように体が軽くなり、気分も明るくなった!」という患者様はたくさんいらっしゃいます。
長引く不調や、今飲んでいるお薬の効果について「なんとなくスッキリしないな」と感じることがあれば、あおいメディカルの薬局窓口でぜひお気軽にお声がけください。
患者様のお話や処方内容から、必要に応じて主治医の先生へのご相談(受診勧奨)をサポートさせていただきます。一人で悩まず、一緒に解決の糸口を見つけていきましょう!